○天草市情報公開条例

平成18年3月27日

条例第18号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 行政文書の公開(第5条―第17条)

第3章 審査請求(第18条―第20条)

第4章 雑則(第21条―第25条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例の目的は、次のとおりです。

(1) 行政文書の公開を求める市民の権利を明らかにします。

(2) 市政についての市民の知る権利を保障します。

(3) 市政の運営状況を市民に説明し、透明性の高い市政にします。

(4) 公正で民主的な市政の運営を実現するため、市政への市民参加をすすめ、市民の市政に対する信頼を高めます。

(用語の意味)

第2条 この条例で使う用語の意味は、次のとおりです。

(1) 実施機関とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、病院事業の管理者及び議会をいいます。

(2) 行政文書とは、実施機関の職員が仕事をする上で作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式など人の知覚では認識することができない方式で作られた記録をいいます。以下同じです。)であって、その実施機関の職員が組織的に用いるものとして、その実施機関が管理しているものをいいます。ただし、次のものは、行政文書として取り扱いません。

 一般にたやすく手に入れることができるもの又は一般に利用できる施設において閲覧できるもの

 本市の図書館、歴史民俗資料館などにおいて、歴史的な資料、文化的な資料又は学術研究用の資料として特別に管理しているもの

(3) 行政文書の公開とは、実施機関がこの条例の定めにより、行政文書を閲覧や視聴のために提供し、又は行政文書の写しを交付することをいいます。

(平21条例89・一部改正)

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例を運用するときは、市政についての市民の知る権利を尊重するとともに、行政文書の適正な作成や管理に努め、個人についての情報が保護されるように最大限の配慮をしなければなりません。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めにより、行政文書の公開を請求しようとする人は、この条例の目的に沿った正しい請求をするよう努めるとともに、行政文書の公開によって得た情報は、正しく使用しなければなりません。

第2章 行政文書の公開

(行政文書の公開を請求できる人)

第5条 何人も、この条例の定めにより、実施機関に対して行政文書の公開の請求(以下「公開請求」といいます。)をすることができます。

(公開請求の手続)

第6条 公開請求をしようとする人は、次の事項を記載した請求書(以下「公開請求書」といいます。)を実施機関に提出しなければなりません。

(1) 公開請求をする人の氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあっては、その代表者の氏名

(2) 公開請求をする行政文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関の定める事項

2 実施機関は、提出された公開請求書の記載事項が十分にととのっていないときは、公開請求をした人(以下「公開請求者」といいます。)に対して、期間を定めて、その補正(不足するものを補い、又は誤りを正すことをいいます。以下同じです。)を求めることができます。この場合において、実施機関は、公開請求者に対して、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければなりません。

(実施機関の公開義務)

第7条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求があった行政文書に次のいずれかに該当する情報(以下「非公開情報」といいます。)が記録されているときを除き、公開請求者に対して、その行政文書を公開しなければなりません。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の事業情報は除きます。)であって、その情報に含まれる氏名、生年月日などから特定の個人が分かるもの(他の情報と照合することで特定の個人が分かるものを含みます。)ただし、次の情報は、公開するものとします。

 法令若しくは条例(以下「法令等」といいます。)の定めにより、又は従来からの習わしとして公開され、又は公開することが予定されている情報

 人の生命、身体又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報

 その個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条に規定する地方公務員をいいます。)である場合において、その職務を果たす上での情報に含まれるその公務員の地位、氏名及びその職務の内容

 個人の権利利益を不当に害するおそれがなく、公開することが公益上必要であると認められる情報

 その個人が公開することに同意している情報

(2) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除きます。以下「法人等」といいます。)の情報又は事業を営む個人の事業情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、身体又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められるものは、公開するものとします。

 公開することにより、その法人等又は事業を営む個人に不利益を与えると認められるもの

 実施機関からの求めに応じ、公開しないという条件のもとに、任意に提供されたもので、法人等又は事業を営む個人において通常公開しないこととされているものその他のその条件を付すことがその情報の性質や当時の状況からみて合理的であると認められるもの

(3) 公開することにより、人の生命、身体又は財産などの保護、犯罪の予防又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれのある情報

(4) 法令等で公開することができないこととされている情報

(5) 本市並びに国及び他の地方公共団体(以下「国等」という。)の内部又は相互間における審議、検討又は協議についての情報で、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

(6) 本市又は国等が行う監査、検査、取締り、争訟、交渉、契約、試験、調査、研究、人事管理その他の事務又は事業についての情報であって、公開することにより、その事務又は事業の性質上、その適正な処理に支障を及ぼすおそれがあるもの

(行政文書の一部公開)

第8条 実施機関は、公開請求された行政文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分をたやすく区分して除くことができるときは、公開請求者に対して、その部分を除いて、行政文書を公開しなければなりません。ただし、その部分を除いた結果、その行政文書に意味のある情報がなくなったと認められるときは、その行政文書は、公開しないものとします。

(行政文書の時限公開)

第9条 実施機関は、公開請求された情報が第7条の非公開情報に該当する場合において、その該当理由が一時的なものであり、その理由が消滅したときは、その情報を公開しなければなりません。

2 実施機関は、行政文書を公開しないと決定した場合又は前条の場合において、行政文書の全部又はその一部が第7条の非公開情報に該当しなくなる期日をあらかじめ明らかに示すことができるときは、その期日を第12条に定める文書に記入しなければなりません。

(公益上の理由による公開)

第10条 実施機関は、公開請求された行政文書に非公開情報(第7条第4号に規定するものを除きます。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、その行政文書を公開することができます。

(行政文書の存在の有無に関する情報)

第11条 公開請求者に対して、公開請求された行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報を公開することとなるときは、実施機関は、その行政文書が存在しているか否かを明らかにしないで、その公開請求を拒むことができます。

(公開請求に対する措置)

第12条 実施機関は、公開請求された行政文書の全部又はその一部の公開の決定(以下「公開決定」といいます。)をしたときは、速やかに、公開請求者に対して、公開すること及び公開の実施について必要な事項を文書で通知しなければなりません。

2 実施機関は、公開請求された行政文書の全部を公開しないとき(前条の定めにより公開請求を拒否するとき及び公開請求された行政文書を保有していないときを含みます。)は、公開しないことの決定をし、速やかに、公開請求者に対して、公開しないこと及び公開しない理由を文書で通知しなければなりません。

(公開等の決定の期限)

第13条 前条の定めによる決定(以下「公開等の決定」といいます。)は、公開請求書が提出された日の翌日から起算して14日以内に行わなければなりません。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めたときは、その補正に要した日数は、この期間には算入しません。

2 実施機関は、やむを得ない理由により、前項に定める期限(以下「決定期限」といいます。)までに公開等の決定をすることができないときは、公開等の決定の期限を、公開請求書が提出された日の翌日から起算して45日以内の日(以下「延長期限」といいます。)とすることができます。この場合において、実施機関は、公開請求者に対して、決定期限までに公開等の決定ができない理由及び延長期限を文書で通知しなければなりません。

(第三者に対する意見書提出の機会の付与など)

第14条 公開請求された行政文書に国等及び公開請求者以外の人(以下これらを「第三者」といいます。)の情報が記録されている場合において、実施機関は、公開等の決定をするときは、第三者に対して、公開請求された行政文書の内容などを文書で通知して、意見書を提出する機会を与えることができます。

2 実施機関は、次のいずれかに該当するときは、公開決定する前に、第三者に対し、公開請求された行政文書の内容などを文書で通知して、意見書を提出する機会を与えなければなりません。ただし、その第三者の所在が明らかでない場合は、この限りではありません。

(1) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を公開しようとする場合であって、その情報が第7条第1号イ又は同条第2号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を第10条の規定により公開しようとするとき。

3 実施機関は、前2項の定めにより意見書の提出の機会を与えられた第三者が、行政文書の公開に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」といいます。)を提出した場合において、公開決定をするときは、公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくとも14日間を置かなければなりません。ただし、次のいずれかに該当するときは、その期間を短縮することができます。

(1) 行政文書を速やかに公開しなければならない公益上の必要があるとき。

(2) 反対意見書を提出した第三者が不利益とならないことが明らかであるとき。

4 前項の場合において、実施機関は、公開決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対して、公開決定をしたこと及びその理由並びに公開を実施する日時及び場所を文書で通知しなければなりません。

(公開の方法)

第15条 実施機関は、公開決定をしたときは、前条第3項に規定する場合を除き、公開請求者に対して、速やかに、行政文書を公開しなければなりません。

2 行政文書の公開は、実施機関が指定する日時及び場所において行います。

3 行政文書の公開は、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付により、フィルムについては視聴又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況などに応じて実施機関が定める方法により行います。

4 実施機関は、前項の定めによる閲覧又は視聴の方法により行政文書を公開する場合において、その行政文書に公開しない部分があるとき、行政文書の保存に支障があると認めるときなどは、その行政文書の写しによって、行政文書を公開することができます。

(費用負担)

第16条 この条例の定めによる行政文書の公開に要する手数料は、無料とします。

2 公開請求者は、行政文書の写しの交付又は送付を求めたときは、その行政文書の写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければなりません。

3 市長は、特別の理由があると認めるときは、規則で定めるところにより、前項の費用を減額し、又は免除することができます。

(他の法令等との調整)

第17条 他の法令等に、行政文書の閲覧、縦覧、視聴又は行政文書の写し若しくは謄本、抄本の交付の定めがあるときは、その定めによるものとします。

第3章 審査請求

(平27条例45・改称)

(救済手続)

第18条 実施機関がした公開等の決定又は実施機関に対する公開請求に係る不作為について不服がある人は、当該実施機関に対し、審査請求をすることができます。

2 公開等の決定又は公開請求に係る不作為に関する審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しません。

3 公開等の決定又は公開請求に係る不作為に関する審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、天草市行政不服審査会の設置及び運営に関する条例(平成27年天草市条例第44号)第1条に規定する天草市行政不服審査会(以下「審査会」という。)に諮問しなければなりません。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る情報の全部を開示することとする場合(当該情報の公開について反対意見書が提出されている場合を除きます。)

4 前項に規定する審査請求については、行政不服審査法第9条、第17条及び第43条の規定は、適用しません。

5 第3項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければなりません。

6 第3項の処分に係る実施機関は、審査会に対し、速やかに諮問するよう努めなければなりません。

(平27条例45・全改)

(諮問をした者の通知)

第19条 前条第3項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」といいます。)は、次に掲げる人に対し、諮問をした旨を通知しなければなりません。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいいます。以下同じです。)

(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除きます。)

(3) 当該審査請求に係る情報の公開について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除きます。)

(平27条例45・全改)

(第三者からの審査請求を棄却する場合における手続)

第20条 第14条第3項及び第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用します。

(1) 公開決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る情報を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該情報の公開に反対の意思を表示している場合に限ります。)

(平27条例45・全改)

第4章 雑則

(情報の共有の推進)

第21条 実施機関は、市民が市政についての情報を共有できるよう、正確でわかりやすい情報の積極的な提供に努めなければなりません。

(平27条例45・旧第29条繰上)

(検索資料の作成)

第22条 実施機関は、行政文書の検索に必要な資料を作成するものとします。

(平27条例45・旧第30条繰上)

(運用状況の公表)

第23条 市長は、毎年度1回、行政文書の公開の実施状況を公表します。

(平27条例45・旧第31条繰上)

(出資法人の情報の公開)

第24条 本市が出資している法人であって規則で定める法人(以下「出資法人」といいます。)は、この条例の趣旨に従い、その出資法人が保有する情報の公開を推進するよう努めなければなりません。

2 実施機関は、出資法人に対して、前項に定める情報の公開の推進が図られるよう指導に努めるものとします。

(平27条例45・旧第32条繰上)

(委任)

第25条 この条例に定めるもの以外で、この条例を施行するために必要な事項は、実施機関が定めます。

(平27条例45・旧第33条繰上)

(施行期日)

1 この条例は、平成18年3月27日から施行します。

(適用範囲)

2 この条例は、次に掲げる行政文書又は公文書について適用します。

(1) この条例の施行の日以後に作成し、又は取得した行政文書

(2) 合併前の本渡市の実施機関の職員が平成13年4月1日以後に作成し、又は取得した行政文書(同日前に作成し、又は取得した行政文書であって、公開のための整理が終わったものとして実施機関が指定したもの)

(3) 合併前の有明町の実施機関の職員が平成17年7月1日以後に作成し、又は取得した行政文書(同日前に作成し、又は取得した行政文書であって、公開のための整理が終わったものとして実施機関が指定したもの)

(4) 合併前の牛深市の実施機関の職員が平成14年4月1日以後に作成し、又は取得した公文書

(5) 合併前の五和町の実施機関の職員が平成16年7月1日以後に作成し、又は取得した行政文書

(任意的公開)

3 実施機関は、前項の規定によりこの条例が適用される行政文書又は公文書以外の行政文書又は公文書について公開の申出があったときは、これに応じるよう努めるものとします。

(経過措置)

4 施行日の前日までに、合併前の本渡市情報公開条例(平成13年本渡市条例第23号)、牛深市情報公開条例(平成13年牛深市条例第19号)、有明町情報公開条例(平成17年有明町条例第11号)又は五和町情報公開条例(平成16年五和町条例第1号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の定めによりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなします。

5 前項の定めにかかわらず、施行日の前日までに、合併前の条例の定めにより徴収するものとされた行政文書若しくは公文書の公開に係る手数料又は行政文書若しくは公文書の写しの作成及び送付に係る費用については、なお合併前の条例の例によります。

(平成21年条例第89号)

(施行期日)

1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に改正前の天草市情報公開条例及び天草市個人情報保護条例の規定により、市長がした処分その他の行為又は市長に対してされた申請その他の行為のうち、施行日以後に病院事業の管理者が処理することとなる事務に係るものについては、施行日以後はそれぞれ改正後の天草市情報公開条例及び天草市個人情報保護条例の規定により、病院事業の管理者がした処分その他の行為又は病院事業の管理者に対してされた申請その他の行為とみなす。

(平成27年条例第45号)

この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

天草市情報公開条例

平成18年3月27日 条例第18号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第8節 情報公開・保護等
沿革情報
平成18年3月27日 条例第18号
平成21年12月18日 条例第89号
平成27年12月25日 条例第45号